AIゲーム制作ラボ

素材ゼロのゲームを立体に見せる4つの手(2本に当てて数で確かめた)

画像を1枚も使わないゲームは、どうしても「単色の図形が並ぶだけ」になりがちです。陰影を焼く・輪郭を形にする・背景を層にする・動きを補間する。この4つを既存の2本に当て、公開したページを自動で測って前後を比べました。背景の階調は4〜8倍になりました。

Libra

公開 2026年9月20日

この記事の要点4 points

いちばん効くのはスプライトのテクスチャに陰影と縁を焼くこと(下を暗く・上を明るく・縁だけ明るく)。

残り3つの要点を読む
  • 背景を層にすると数字に出る。 背景の階調は 0.006 → 0.051(パズル)/0.005 → 0.025(シューティング)。
  • 手番制のゲームでも、絵だけ遅れて追いつかせる(1マス 0.10 秒)と手応えが変わる。
  • 🔴 自分の自動検査が良い画面を不合格にした。 指標のほうを直した。
目次7
検証した環境最終確認 2026年9月20日
  • Windows 11 / RTX 2080 Ti
  • Unity 6.6(6000.6.0f1)・URP 2D・WebGL ビルド
  • Claude Code(Opus 5 / 思考レベル 高)

書いてあるのは、この環境で実際に試した結果です。ツールの仕様や料金は変わるので、重要な判断の前には公式の情報も確認してください。

このサイトのゲームは、画像も音も素材ファイルを1枚も使いません。その代わり、放っておくと画面が「単色の図形が並ぶだけ」になります。4本目でそれを指摘され、作り直しました。

今回は、そこで見つけた手を別の2本3本目のパズルと4本目のシューティング)に当て直し、公開したページを自動で測って前後を比べます。

4つ

当てた手

陰影・形・背景・補間

8倍

背景の階調(パズル)

0.006 → 0.051

5倍

背景の階調(シューティング)

0.005 → 0.025

0件

中身への変更

ルールもテストもそのまま

手① スプライトに陰影と縁を焼く(作り方)

いちばん効いたのはこれです。テクスチャを作るときに、下を暗く・上を明るくして、輪郭だけ明るくします。

float tone = 0.62f + 0.38f * (py + 1f) * 0.5f;          // 下が暗い
bool edge = a > 0.85f && (mask(px + s, py) < 0.55f || mask(px - s, py) < 0.55f ||
                          mask(px, py + s) < 0.55f || mask(px, py - s) < 0.55f);
if (edge) tone = 1.15f;                                  // 縁だけ明るい

色を変えているのではありません。同じ色のまま、面の明るさだけを変えています。これだけで、平らな四角が箱に見えます。

作り直す前のパズル画面。平らな四角と丸が並んでいる
前:平らな四角と丸
作り直したあとのパズル画面。壁が持ち上がり、箱に帯と陰影が入っている
後:同じ配置。陰影・形・背景・補間だけ足した

手② 輪郭を「そのもの」の形にする

三角と丸をやめました。パズルでは箱に帯(十字のバンド)を入れ、目印は、運ぶ人は進む向きが分かる形に。シューティングでは自機に翼と尾、敵にを付けました。

前(形が意味を持たない)

  • 箱=オレンジの四角/目印=小さい四角
  • 自機=三角/敵=三角(色だけ違う)
  • 何が何なのか、色でしか分からない

後(形が役割を示す)

  • 箱=帯の入った木箱/目印=輪
  • 自機=翼と尾/敵=肩のある機体
  • 止まった画面でも役割が読める

手③ 背景を層にする

真っ黒の上に図形を置くと、浮いて見えます。3層にしました。

  1. STEP 01

    縦のグラデーション

    上を少し明るく

  2. STEP 02

    ゆっくり流れる大きな影

    雲・粒(奥行き)

  3. STEP 03

    細かい点

    星・ほこり(速度差)

同じ図形でも、後ろに階調があるだけで「場所」に見える

効果は数字で出ました。背景の階調(背景側の輝度のばらつき)を、公開したページで測っています。

ゲーム
ハコオシ(パズル)0.0060.051
ムレウチ(シューティング)0.0050.025
平均の明るさ(ムレウチ)0.0700.081
色の数(ハコオシ)13

手④ 動きを補間して、瞬間に反応を出す

手番制のパズルは、中身(ルール)では一瞬で状態が変わります。絵だけを 0.10 秒かけて追いつかせると、同じルールのまま手応えが変わりました。

足した反応(どれも中身には触れない)

押した瞬間:箱の足元に砂ぼこり
目印に載った瞬間:輪が広がる
クリア:全部の目印から輪と粒
動けないとき:短い音(壁に当たった合図)
効果音:歩く・押す・戻す・クリア・自己ベスト(素材ファイルは0個)

演出は中身に触らせない

どちらのゲームも、演出は「起きたこと」を読むだけにしてあります。当たり判定も点も、演出を止めても同じです。おかげで、見た目を作り直してもテスト(EditMode 36件・PlayMode 4件)は1件も直していません。

🔴 自分の検査が、良い画面を不合格にした

作り直したあと、自動の見た目検査にかけたら不合格が出ました。画面は明らかに良くなっているのにです。

Git BashERROR
  ✗ 色の数: 1 種類(2 以上)

原因は指標のほうでした。「色の数」を明るい画素のうちの割合で数えていたので、床や壁のような広い面がある画面では、その1色に飲まれてしまいます。

01

割合で数えると、広い面に飲まれる

症状
見た目が良くなった画面ほど、色の数が少なく出る
原因
「明るい画素のうち何%か」で数えていたので、面積の大きい1色が基準を占有する
対処
画面全体に対する面積(0.15%以上)で数える。ハコオシ 1 → 3、5本目のゲーム 2 → 8 になった
02

自動操作が、そのゲームの入力に合っていない

症状
音が0回・動きが0%と出るが、手で遊ぶと普通に動く
原因
検査が「触りっぱなしのドラッグ」しかしていなかった。スワイプで1手ずつ動かすゲームでは何も起きない
対処
「押す → 動かす → 離す」を繰り返す形にした。追従型にもスワイプ型にも効く(音 0 → 26回)

検査は便利ですが、検査自身が間違うことは起きます。数字が実感とずれたら、まず指標を疑ったほうが早いです。

まとめ

  • 陰影と縁を焼くのがいちばん効く。色ではなく面の明るさを変える
  • 輪郭を役割の形にすると、止まった画面でも読める
  • 背景を層にすると、数字(背景の階調)にはっきり出る
  • 絵だけ遅れて追いつかせると、手番制でも手応えが出る
  • 検査が実感とずれたら、指標のほうを直す

FAQ

よくある質問

画像素材を使わないゲームを、安っぽく見せないコツは?

形を凝るより先に、スプライトのテクスチャへ陰影(下を暗く・上を明るく)と縁の明るさを焼き込んでください。同じ四角が立体に見えます。次に背景を2〜3層にして、真っ黒をやめます。

手番制のパズルでも演出は要りますか?

要ります。中身は一瞬で状態が変わってよいのですが、絵だけを 0.1 秒かけて追いつかせ、押した瞬間に砂ぼこり、そろった瞬間に輪を出すと、同じルールでも手応えが変わります。

見た目が良くなったことを、どう確かめますか?

公開したページを自動で撮り、明るさ・要素の量・色の数・背景の階調を数えます。私は背景の階調(背景側の輝度のばらつき)がいちばん実感と合いました。

自動検査が良い画面を落としたときは?

指標を疑ってください。私の「色の数」は明るい画素のうちの割合で数えていたので、床や壁のような広い面がある画面ではその1色に飲まれて 1 と出ていました。画面全体に対する面積で数える形に直しました。

この記事は役に立ちましたか?

NEXT